ホクエツグループ社長インタビュー

細井 佐一郎
  • 細井佐一郎(ほそい さいちろう)
  • PROFILE―――――――――
  • ◆1948年1月新潟県生まれ
  • ◆1970年3月日本大学経済学部卒業
  • ◆1973年4月北越ヒューム管株式会社
    (現:株式会社ホクエツ)入社
  • ◆1993年6月代表取締役社長に就任、現在に至る
リーディングカンパニーとして確かな技術力と拠点力を生かし、長期の視野に立って良品を提供。
●的確な商品の製造・販売と拠点展開で着実に発展。

昭和26年、北越ヒューム管(株)として新潟県に誕生した同社は、昭和48年に本社を仙台へ移すとともに、営業部門を分離し、(株)ホクエツを設立した。昭和20年代は、数ある材料の中でもコンクリート二次製品はその用途が限られており特殊な製品だったため、同社でも最初の二次製品はヒューム管だったという。

やがて米の増産が求められる時代となり、農業土木の機械化が始まった。昭和30年代は農業土木の時流とともに同社も発展してきたといえる。

「東京オリンピックの少し前から2桁台の国道の大型改修が始まりました。道路の改修では、側溝製品、プレキャスト工場でできる二次製品が主でした。戦前から戦後への過渡期、何もない時代のインフラ整備。そういう中で建設業界全体が潤ったと思います。そこで経済的基盤の母体となるイメージができてきたんです」。

着実な成長の要因をうかがってみた。

「ひとつは、要求される機能なり商品をいち早くつかんで生産ラインにのせ、販売につなげたこと。もうひとつは拠点展開ですね。本社を仙台に移転したのは、関連省庁が1ヶ所にありますし、仙台での事業展開をすでにやっていたので馴染みがあったということですが、そこをベースとして各地に拠点を設けてきました」。

●時代のニーズに応じて新商品の開発も積極的に。

公共事業が中心となるため、同社をとりまく環境も厳しいものがある。

「世の中は厳しくなる一方ですが、公共事業がなくなることはない。少なくはなってもゼロにはならないので、その需要の中で要求されるものをきちんとこなしていけば大丈夫だと思います。新しい分野に展開していくことは難しいですが、コンクリート二次製品の新商品開発は積極的に取り組んでいます。自由勾配側溝もそのひとつ。通常より金額が高いこともあり受け入れてもらいにくかったですが、使いやすさや将来のコストパフォーマンスなどをきちんと説明して、結果的には受け入れられ、今では定番となっています」。

また、沿岸漁業の支援として、大学と共同で藻場造成用ブックの開発にも取り組んでいる。

「魚が育つには藻場が必要。藻場とは海藻が茂る場所の事で、海藻にはヨコエビ等の小さな生物がたくさん生息しています。魚はこれらを餌としているのです。海藻はアワビやウニの重要な餌でもあるんですが、このような天然の藻場は実は減っています。しかしコンクリートを利用してある形状にする事で海藻を早期に生えやすくすることができ、藻場を造成することができるんです」。

そして、本業の方の今後の戦略はどうだろうか。

「同じ商品でも時代によってニーズが変わってきています。たとえば、水路を例にとっても最初は蓋がなかった。それが子供が落ちるので蓋をつけてくれという要望が出て、落ち蓋が生まれた。最近ではバリアフリーというかユニバーサルといった身障者や弱者に優しい製品が求められています。今後も世の中がどういう要求をしてくるかということと、我々がそれを作れるかということのマッチングがポイントでしょうね」。

●求めるのは自立した人材、大切なのは個性。

そんな同社が求める人材は「自立している人材」。会社の基本方針をしっかりわかった上でそこから先を自分で考えて動ける人材とのことだ。自立できる才覚、能力が大事であり、そうした人材の中から自他ともに認めるリーダーも生まれると社長は考える。そして、これから社会に出る学生へのメッセージをいただいた。

「7~8年前に比べて社会が厳しくなっている中、今の学生は非常にしっかりしているんですが、行動パターンがマニュアル的なのが大変残念ですね。就職活動での受け答えもみんな一緒。どんな企業も面接は10分くらいでしょうから、その中でどれだけ自分をアピールできるかが大事です。同じような顔つき、同じような受け答えだと、印象にも残りません。もっと個性を出しても受け入れられると思いますよ。私自身は、オール80点より、50点もあれば100点もあるという人材の方がいいと思います」。

recruit「TOP INTERVIEW 2004」掲載記事より

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